個別映画評
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| 点数 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|---|---|
| 年代 | 2008年 |
| 国 | 香港/中国 |
| 時間 | 110分 |
| 監督 | ベニー・チャン |
| 脚本 | アラン・ユエン、ベニー・チャン |
| 音楽 | ニコラ・エレラ |
| 出演 | ルイス・クー、バービー・スー、ニック・チョン、リウ・イエ、エディー・チョン、フローラ・チャン |
04年公開のアメリカ映画「セルラー」の香港版である。従って本作は、香港の起伏の多い地形に合わせてシナリオを一部変更。市街地や山間地でのド派手なカー・チェイスや、建設現場での格闘シーンなど、オリジナル版になかったアクション場面を大幅に加え、スケールアップしている。
シングルマザーのグレイス(バービー・スー)は、6才の娘を学校へ送り届けた帰り道、突然クルマをぶつけてきた見知らぬ男たちに捕われ監禁される。彼女は閉じ込められた倉庫の中で壊された電話機の配線をつなぎ、必死で外へ助けを求める。するとそれが気弱な経理マン、アボン(ルイス・クー)の携帯に繋がる。はじめはイタズラかと疑うアボンだが、聞こえてくる音に異常を察知。彼はグレイスの救出に乗り出していく。とまあ、このあたりまではオリジナル通りの展開だが、違うのはここからで、まずはそのアボンの人物造形だ。彼を息子の信用もないダメ男としたことで、この物語が単なるアクション物でなく、父親と息子の“人間ドラマ”としての側面もまた見せはじめるのだ。さらに、これにもう一枚加わるのが、特捜から交通課に降格された刑事 ファイ(ニック・チョン)だ。つまり、命がけで娘を守るシングルマザーのグレイスと、息子に父親としての存在感を示したいシングルファーザーのアボン。それに、仕事で男を上げて何とか特捜に復帰したいファイ刑事。この三者三様の思いを交錯させることでクライマックスへと続く流れが太くなる仕掛けだ。そしてその場所を空港に設定したのも大正解で、人ごみでゴッタ返す空港ロビーは、主人公と誘拐犯一味との駆け引きをエキサイティングに見せる格好の場所だろう。
ただ、充電器のくだりなど残念な点もいくつかあるが、なかでも、誘拐犯を演じたリウ・イエの演技が軽いのがなんとも痛い。彼がこの役を、“ワル”に徹してビシッとキメていたら、本作の評価はもっと上がったはずだ。それにしても、本作のオリジナル版が放った二塁打的クリーンヒットから、さらに塁を落し入れて三塁まで進塁したような、そんな元ネタを超えたところがお見事な一篇ではある。







