個別映画評
ラブリーボーン
THE LOVELY BONES
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|---|---|
| 年代 | 2009年 |
| 国 | アメリカ/イギリス/ニュージーランド |
| 時間 | 135分 |
| 監督 | ピーター・ジャクソン |
| 脚本 | フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン |
| 音楽 | ブライアン・イーノ |
| 出演 | シアーシャ・ローナン,マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ |
「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で知られるP・ジャクソンの「キン・コング」以来4年ぶりの新作である。今回は世界を席巻したベストセラーの映画化で、アメリカの女流作家アリス・シーボルドの同名小説がその原作だ。
主人公は自分の名前を“魚みたい”と表現するスージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)。写真家を夢見る多感な14才だ。だが、そんな彼女がある日、近所に住む中年の独身男ジョージ・ハーヴィ(スタンリー・トゥッチ)に殺されてしまう。そして、物語はここから動き出す。命を絶たれてしまった彼女の魂はこの世とあの世のあいだをさまよい続け、突然愛娘を失った家族もまたその悲しみから抜け出せない。父親ジャック(マーク・ウォールバーグ)は犯人捜しに没頭し、妻アビゲイル(レイチェル・ワイズ)はそんな夫との溝が高じて家を出る。そして、隣人ハーヴィの怪しい動きに気づいた妹リンジー(ローズ・マックィーバー)も、男の行動を探りはじめる……。
こうして主要人物それぞれのエピソードが、いくつかの道筋として観客に示され、物語はやがて猟奇殺人事件の様相を呈しながらも、幻想的でファンタジックな色合いを帯びて展開していく。ただザンネンながら示されたどの道も通り抜けられない。それぞれの道がどれもみな途中で途切れてしまうのだ。悲劇のヒロイン、スージーがのめり込んだ写真撮影も、父親ジャックが趣味のボトルシップを壊しても、霊感少女ルース(キャロリン・ダンド)の点出も、はては犯人ハーヴィが凝るドールハウスまでもが、どれも話の流れにすんなりからまない。その結果、観客は割り切れないモヤモヤを頭の中に残したまま劇場を出ることになる。
現世と天国との中間地点のファンタステックな映像の数々は、確かに不思議でキレイな絵作りだが、それが話にストレートにリンクしない分、感動からはほど遠い仕上がりだ。前作「つぐない」で、13才にしていきなりアカデミー助演女優賞にノミネートされた新星シャイア・ローナンのみずみずしさと、壮麗なCG映像だけが見ものでは、美しい骨も光を失うことになる。







